奥田農園の「夏いちご」

奥田農園ブランド「御和いちご」
奥田農園で生産している夏いちごには「御和(みわ)いちご」というブランド名がついています。「御」「和」それぞれの字に特別な意味があり、「御和いちご」の名前には、感謝と願いが込められているのです。

奥田農園で生産しているいちごは、全国どこでも生産できるわけではありません。気候風土の条件が整って初めてクオリティの高いものになる特別ないちごなのです。私たちはその特別ないちごを生産することができるこの諏訪の地に感謝し、諏訪地方に1200年以上続く伝統的かつ諏訪の民にとって最も重要な7年に1度の祭事である「御柱祭」の「御」の字を奥田農園ブランドの夏いちごの商品名の一文字目にしました。

私たちには美味しいいちごを作って人々を喜ばせたいという思い、そして奥田農園に関わる全ての人たちが幸せであってほしいという思いがあります。その思いで「和」という漢字を選びました。「御和いちご」を食べる人の心が「和む」程に美味しいいちごが作れる様に、そしてもうひとつは「和を以て貴しと為す」の如く奥田農園に関わる全ての人が「調和」していける様に。二文字目の「和」には、この2つの願いが込められています。
*2015年9月現在、「御和いちご」は商標出願中です。
夏に穫れる「夏いちご」!
いちごの本来の旬は実は5〜6月です。しかし、いちごが冬の果物だと思っている方も多いのではないでしょうか。日本でいちごが最も消費されるのは12月です。それはクリスマスケーキにいちごが多く用いられるためです。いちご農家は12月のクリスマスに間に合うようにいちごを生産し収穫を始めるため、その後の冬の時期に生産量のピークを迎え春先までいちごが市場に出回るのです。いちごが冬の果物だと思われるのはこういった理由があるのです。冬に収穫されるいちごを仮に普通のいちごと呼ぶとすると、奥田農園で生産しているいちごは夏の時期に栽培収穫が行われる「夏いちご」です。いちごは暑さに弱い植物のため、夏いちごは日本全国でも限られた一部の地域でしか生産されていません。八ヶ岳の麓、標高1,030mに位置する奥田農園では夏でも冷涼な気候を生かして、夏いちごを生産しています。
甘い、濃い、いちごの味!
「御和いちご」の特徴はその味に尽きます。一口食べて顔がほころぶいちごの甘さ、濃厚な味、そして程よい酸味。「御和いちご」は夏いちごというカテゴリーにおいて革命をもたらしたと言っても過言ではありません。一般的に夏いちごは冬いちごに比べて酸味が強い品種が多いのが特徴です。しかし、「御和いちご」は糖度が高く、他の夏いちごと一線を画すという評価をいただいております。
高品質。だから選ばれる。でも生産が追いつかない!
多くのお客様から贔屓にしていただいている「御和いちご」。例えば、東京エバラ青果様(東京太田市場内)からは「どれだけ出してくれてもいいよ!」とおっしゃっていただけるほどに太鼓判をいただいております。しかし、実は奥田農園で「御和いちご」の生産を始めたのは2015年から。つまり、今年が夏いちご生産の第1期目です。なぜ生産第1期目にも関わらず高品質の夏いちごが生産できているのか、その要因は2点あります。
1点目は、いちご苗の生産経験です。奥田農園では2012年からいちごの苗を生産し販売を行ってきました。その品質の高い苗を作るノウハウを夏いちごに転用できたことが品質の高い夏いちごの生産を可能にしました。言うまでもなく、高品質の果実は高品質の苗から育つのです。
2点目は奥田農園を支える盤石のサポート体制です。「御和いちご」は「信大BS8-9」という品種のいちごを使用しています。「信大BS8-9」は信州大学農学部の大井美知男教授が「今までにない、夏でも美味しいと思えるいちごが作りたい」という固執した思いをもって5年間改良に改良を重ねて開発した夏いちごの最高傑作とも謳われる新品種(交配による。遺伝子組換えではありません。)です。その大井教授と株式会社アグリス栽培指導室の椎葉先生の指導が、生産1期目の奥田農園で高品質の夏いちごの生産を可能にしているのです。
その品質の高さで高評価をいただいている「御和いちご」ですが、問題がないわけでもありません。奥田農園ではお客様からいただくオーダーを全て満たすほどの出荷量が確保できていないのが現状です。2016年はお客様のご要望に応えるべく栽培面積を2倍に拡大し、いちごの質だけでなく出荷量でも満足いただける奥田農園ブランドの「御和いちご」に育てていきたいと思います。
取材記事: ウェディング・ケーキに「御和いちご」




